俊哉が転校してきて、早三日。
この学校で俊哉は絶大的な人気を誇った。
廊下を歩けば、花道みたいに女子が群がって大変なくらい。
男子だって下手すりゃ二度見するくらい。
まぁ確かに、整った顔はしてるよね・・・?
二重のパッチリした大きな瞳。長い睫毛。筋の通った鼻。ふっくらした唇。
自分の中にある5年前の俊哉が消えてないから、そこまで思ったことはなかったけど。
かっこいい・・・かも。
でも、性格を知ったら最悪だもん、皆避けていくよね?
とか思っていたのに、俊哉は猫をかぶって接するから、誰も俺様でドSだなんて気がつかない。
何でよ?!普通気がつくでしょ?!
誰かに本当の俊哉のことを教えてあげたかったけれど、そんなことを話すような友達と呼ばれる存在は誰ひとりいない。
だから、結局あたしは黙っていた。
黙って隣で女子に囲まれる俊哉のことを見ていた。

