朝食を食べ終わると時刻はちょうど7時になるところだった。


あたしはふと小さな疑問を投げかける。


「ねぇ。学校ってどうするの?」


「あぁそういえば、お前はどこに通ってんだよ。」


「あたしは大ノ宮高校だけど・・・」


「じゃ、俺もそこに通う。連れて行け。」


また無茶苦茶な返事が返ってくる。


「あのね、大ノ宮はそんなに簡単に入学できるような所じゃないんだよ?一応私立だし、勉強それなりにできないと・・・」


「いいから。俺様が入学できない学校なんて学校じゃねぇ。何があってもカズの隣にいてやる。」


でたよ・・・俊哉の俺様発言。


「はいはい。連れて行けばいいんでしょ。」


あたしは冷たくあしらった。だって本当に入学するなんて思ってもいなかったし、しかも同じクラスで隣の席になるなんて・・・



教室で束の間の自己紹介の後、あたしの隣に座った俊哉が言った言葉。


「言っただろ。何があってもカズの隣にいてやる、って。」


その言葉を実現させてしまったこの男に「今日は自分の家に帰ってね」と言える人がどこにいるのだろうか。


きっと世界中のどこを探しても、誰ひとり見つからないだろう。


そうしてその日も、その次の日も、あたしは俊哉を泊めてしまったんだ。