「カズー?・・・カズ?!」
のんきな声で病室に入ってきた俊哉も、あたしと看護師さんを見て、息を飲んだ。
「カズ?!どうした?!」
駆け寄る俊哉に、看護師さんが声をかける。
「あなた・・・俊哉くん?」
「そうですけど、何でそれを・・・」
「渡瀬さんがさっきからずっと、“俊哉”って呼び続けて泣き止まないの。」
「・・・カズ・・・。おい、カズ。しっかりしろ。俺はここにいるから。」
「俊哉、違うの。あたしそんなつもりじゃ・・・。助けて・・・怖い。怖いよぉ・・・。」
あたしは呪文のように、言い続ける。
「・・・っカズ!!」
あたしを抱きしめる俊哉。
あたしも必死にその体に手を回して、力を込めた。
「俊哉ぁっ・・・。」
俊哉だ。
いつもは俺様で、意地悪で、ドSで、でも優しいあたしの大好きな・・・。
・・・助けて。
違う、違うの。
そんなつもりじゃなかったの。
あの手が、あたしを押すから、それに従っただけなの。
まさか・・・
まさかあたし以外の皆が死ぬなんて思ってなかったの・・・。

