「あたし、別に俊哉のこと・・・」
「あ!俺の部屋ってどこだ?」
あたしが否定をしようとすると、それを遮るように俊哉がソファから立つ。
「俊哉の部屋なんてあるわけないでしょ、あたしの家だもん。」
「これから一緒に住むんだから部屋ぐらいつくれよ。寝室は共同でもいいから。あ、ベッドはクイーンで。」
「なんで俊哉と同じベッドで寝なくちゃいけないのよ、バカ!しかもクイーンなんてサイズのベッドあるわけないでしょ!っていうか何で一緒に住む設定で話してんのよ!」
信じられない。
突然アメリカから帰ってきたかと思えば、一緒に住むことになってるし。
「設定じゃねぇよ。一緒に住むんだ。まぁ、ベッドの件は百歩譲ってワイドダブルでいいか。」
俊哉は真面目な顔をしてクッキーを齧る。
何なのこいつ~っ!!
「もういい加減にしてってば!あたしは俊哉に付き合ってる暇なんて・・・」
あたしはしびれを切らして怒鳴り散らしたが、俊哉はあたしの前からいなくなっていた。

