『僕が教えてあげようか?』


まさかの龍司の発言に私は、
固まったまま。


「別に由羽が嫌ならいいけど」

「…ううんっ。数学、ちょうどわかんなかったし…。
ほんとに…教えてくれるの?」

あたしは少しだけ、疑う。


龍司はいつもめんどくさそうだし、今日だって…。


「…今から僕の家くる…??」

歩いていた足は一瞬だけ、止まりかけた。


「…う、うんっ!」


あたしは思いきり力強く返事をした。


「…わかった」


気のせいかな??


一瞬、龍司が笑ったように見えた。