帰り道。


由羽と二人で帰っているのに、会話がない。


だって、何を話したらいいんだよ。


由羽はひたすら、下を向き歩いてる。


なにか、なにか話題は…。


「……数学…」


頭に浮かんだのは、今日の自習時間。


口が勝手に単語を発していた。

由羽はぱちくりと目を開け、僕の方を見た。


「数学、できた?」


「う…ん、まあ…。できないとこは、放っておいた。」


「…僕が…」


「…え??」


言うんだ。


「僕が教えてあげようか??」


言った!!