「田植えの帰りに、由羽ちゃんに出会ってな」


ああ、由羽のことか。


僕は急に態度を変えた。


「うん。それで?」


「それでやなしにやな。
女の子を一人で帰したら
危ないやないの。」


「ん。
今日は、由羽、
勉強するって言ってたから。」

素っ気なく理由を返して
みたら、おばあちゃんは
渋々、納得したようだった。


だけど、それを聞いていた
お母さんが手におぼんを持ちながら話に入ってきた。


「龍司、
あんた由羽ちゃん、一人で帰らしたんか」