考えても頭に浮かぶのは
龍司の顔だけ。


始まりを深く考えれば
考える程に、
胸は苦しくなる。


そして
苦しさと一緒に愛は育まれていく。


ねぇ。


この苦しさと愛しさとが
同居する心の中を。


あなたになら見せてもいい。


龍司になら。


あたし、
上條 由羽は下條 龍司のことを愛しているのだから─…。