その夜

「おい人間。」

「!あんたは?」

綺麗な人だった。

すっごく綺麗な人。

人・・・なのかな。

「お前、あやつらが憎いか?」


昼間の、狼藉者のことか。。。

憎くないわけがない。

憎いに決まってる。

「お前と契約してやってもよい。」

「え?」

「お前が、あやつらに復讐を果たすまで、俺をお前の体の中に住まわせろ。そこで、お前は悪魔となる。復讐を果たした後、お前を心の底から愛する者が、午前0時に接吻をすることで、お前は人間に戻ることができる。どうだ。悪くないだろう?」

悪くない。

でも、私へのメリットばかりなわけ、ないはず。

「私へのデメリットは。」

「寿命が、5年縮み、死後は成仏しずに、あの世とこの世の狭間からこの世へ奉仕をし、成仏するのを待つ。」

悪くない。

「契約・・・するわ。悪魔。」

「お前は、俺を体内にいれたら、悪魔となる。それだけは心得よ。」

私は静かに頷いた。

「一ついいかしら。」

「なんだ。」

「接吻って何?」


悪魔は、私の顔を真顔で見つめる。

「お前、普通、『契約ってどうやって結ぶの?』とか、『私の体内にどうやって入るの?』とか、『初めて、悪魔と契約するから怖いわ。』とかだろぉぉ・・・?」

「・・・・・・・変態。」

私はどうやら、変態悪魔と契約するようです。