「?!」

入ってきたのは、カミーユさんだった。

「ジュリエッタ様、坊ちゃん、今はそれを弾くのはおやめください。」

あぁ。そうか。

ピアノを今は弾くなということか。

「なぜだ。」

シリルは、抗議しながらも楽器を片付けている。

「お逃げください。狼藉者です。旦那様と奥様は、裏手から逃げております。坊ちゃんたちも!さぁ。早く!!」

私は、片手にアリーの手、片手に剣を持った。

フレッドも、片手に剣を持つ。

もちろんシリルも。片手に剣、片手に銃を持つ。

「シリル、アリー、ジュリ、俺の順でいく。シリルとジュリで、アリーを守ってくれ。俺が殿を務める。」

フレッドに抗議をしようとするシリルを制し、私は頷いた。

今、一番危険なのは、シリルとアリー。

そう。シェーンフィルダー公爵一家。

だからお母さまたちも、伯父様達を逃がしたんだ。

私たちも、守らなくてはならない。

お父様とお母様が守ろうとしている者たちを。

それが私たちの今すべきこと。