午前0時に口づけを



「ジュリ、真実を受け止めておいで。君の父上が、何をしていたのかなどね。裏の仕事かもしれない。でも、それでも、立派な仕事だ。誇りを失わないようにな。わかったか⁇」

私は、あまり意味を理解せずに頷いた。

聞くのが面倒で、ただ、頷いた。

誇りとか、仕事とか、どうでも良かった。

私は私だから。

それだけで、良かった。

ただ、いつものように、サインして行く日々に飽きただけ。

サインをしたくないだけ。

「それから、もうそろそろ、家に戻ろうと思ってね。」

「そうですか…。」

少し残念だ。

シリルと、いられない。

「シリルも、連れて行くから。」

当たり前だよね。

「もちろん、なにかあったら、すぐ呼んでもらっていいからな?」

「お気遣い感謝します。伯父上。」