「伯爵、この度は、お悔やみ申し上げます。そして、本日はおめでとうございます。それから、少しお話いたしたいことがあるのですが。」
私は微笑んで答える。
「わかりました。」
その返事に満足したらしい、彼はシリルを、見つけ、シリルの腕を引っ張り、私に目で合図した。
私は黙って頷いて、子爵、伯爵、侯爵令嬢に会釈して、彼について行った。
彼は、バルコニーに来ると、立ち止まった。
「どうかしましたか?」
私は顔色を変えずに問う。
彼はいきなり、前髪をあげた。
「俺からの忠告。気を付けろ。奴にな。」
奴にな?
奴って誰⁈


