その笑みにつられ私もニッコリしてしまう。

「ジュリ―――――ッ!!」

「はしたないですわ。あなた。いくらわたくしの実家とはいえど、お姉さまもいらっしゃいますのよ?!」

廊下からの大声。

お父様とお母様。

「来たようだね。」

伯父様は私に笑いかける。

「やぁ、コリーにアルフ。」

コリーことコリンヌ・バルニエール伯爵夫人。私の母親。


そして、アルフことアルフレッド・バルニエール伯爵は私の父親。

最後に、優雅に入ってきたのは、

「お久しぶりです。シェーンフィルダー公爵閣下、並びに公爵夫人。」

「相変わらず堅いな。コリーにそっくりだ。フレッドは。」

「フレデリックです。閣下」

フレッドことフレデリック・バルニエール。

私の弟でバルニエール家で一番堅苦しい。

「で、どうしたんだい?」

伯父様はにっこりとお母様とお父様に話しかけた。

「そうでしたわ、お姉さま、兄上、少々お話が。ジュリエッタとフレデリックはここで待っていてちょうだい。」

伯父様は少し顔をしかめ、お母様の言葉にうなずいた。

「どうやら込み入った事情のようだね。僕の書斎へ行こう。シリル、アリーとジュリ、フレデリックを頼むよ?」

「わかりました。父上。」

お父様たちは、伯父様について出て行った。