「お持ちしました。着替えはどうします?」
「一人で大丈夫だ。悪いな。」
「いえ。」
セレナは一礼して部屋を出て行った。
私は急いで、着替えをする。
一人でそつなくこなせるように普段から一人で出来ることはしておいてよかった。
「よし。」
おかしなところはない。
下へ降りよう。
「セレナ、靴は、ないのか?」
流石に女の子用のヒールではちぐはぐだ。
地味目な色とはいえ、大きな花が付いていては、女の子らしすぎる。
「靴でしたら、こちらに。申し訳ございません、持ってくるのが遅かったですわね。」
「いや、構わない。ありがとう。」
にしてもこのブーツ・・・。
かかとが高すぎる・・・・。
「っ、すまないが肩を貸してくれないか。」
「ふふっ、わかりましたわ。」
私はセレナの肩を借り、やっとのことでヒールをはいた。
ヒールっていうかブーツ?
しかも、ヒールっていうよりは、厚底?
「。。。素敵ですわ!さすが、バルニエール家当主ですわ。さぁ、降りて、シリル様たちにお見せしましょう!」
私は、頷いて、部屋を出ようとした。
しかし、部屋を出られない。
「セレナ――――!!マントが引っ掛かったぁ―――!!」
ぁ、えっと、違う。
「セレナ。悪いが、マントが引っ掛かった。取ってくれないか。」
「お嬢様、私の前では、いつも通りになさってください。気の置けない使用人も一人は必要でしょう?」
私は微笑んだ。
「ありがとう。」
セレナがマントの引っかかったところを取り、私はもう一度歩き出す。
「セレナ、行ってくる。」
「行ってらっしゃいませ。」
背中に聞こえた、セレナの声はいつも通り穏やかな声だった。


