午前0時に口づけを



「シリル、やめなさい。」

伯父様がシリルに優しく言う。

「お父上。これはジュリエッタの問題です。」

確かに私の問題かもしれない。

でも、どうにもならない問題ってあると思う。

「シリル、貸して。」

私はその剣をお墓に戻す。

「ジュリエッタ!!」

「最期をみとったものだからこそ、私のところにおいていくわけにはいかないの。これがなくたって私はあのことにふたをするわけないじゃない。」

「それもそうだな。」

私はシリルに埋めるのを手伝うようにいい、埋め始めた。

「ジュリ、」

「私は大丈夫ですよ。」


それより心配なことはほかにたくさんあるでしょう。


謁見のこととか、シェーンフィルダー家の屋敷のこととか。