「母上と父上は僕らに裏口からそっと出るように言った。・・・、今回の状況と同じだった。僕たちはいとこたちに会いに行っていた。そこで襲われたんだ。僕らがいるって知っていてね。いとこであり、コリーの想い人が、そこで亡くなった。フレッドのようにね。僕ともう一人の従妹で、コリーを守り抜けってね。俺が何とか食い止める。きっと大丈夫。ってね。僕は、置いて逃げたんだ。コリーと、シャロンを守るためなんだって。」

伯父様はいったん、息を吐き出した。

「それから、コリーは、毎晩眠らなくなった。毎日剣の稽古をするようになった。父上と母上の葬儀でも泣かなかった。おばあ様の時はあり得ないくらい泣いていたのに。泣くどころか。冷静で、でも、一人になるとおかしな行動ばかりで、」


気が付けば伯父様は涙を流していた。

「毎日のように、大量に食べては吐いていた。毎日のように、笑顔なんか忘れたような無表情だった。毎日のように、父上たちの墓に行っては掘り起こそうとしていた。毎日のように、父上と母上は生きていると僕に言った。」



伯父様はさらにと付け加えた。

「自殺未遂を起こした。」

「!!」

「昔から、シェーンフィルダー家には言い伝えがある。金の髪を持つ少女を産んだ母親は何者かにより、一番年上が14になりしとき、殺される。丁度母上たちが死んだ日、僕の14の誕生日だった。」

・・・お母様は見事なほど綺麗な金髪だ。


そして、私も金髪・・・。

憎い。この金髪が憎い・・・。

「バルニエール家にも言い伝えがある。これは、アルフから聞いた話なのだが。金の髪を持つ娘の母親死するとき、悪魔が現れる。」

悪魔・・・

レッドがそうだ。

「それから、金の髪を持つ娘は7人の従者を引き連れ世界を救う。」

なんか大事になってますよ???

大事は嫌いです。

もう少し小さいことにしていただきたい☆

「世界を救う娘は、バルニエール、シェーンフィルダー両家が結ばれしとき生まれる。」

つまり、それは

聞きたくない真実。

「ジュリ、君こそ、世界を救う娘なんだ。」

こんな小さな私に何ができるのだ。