午前0時に口づけを


「・・・ん?」

気が付いたら僕も眠っていたらしい。

「今は・・・4時か。」

2時間ほど眠っていたようだ。

彼女もまだ眠っている。

何だか、眠っているはずなのにつらそうなのは気のせいだろうか。

またうなされているのか

怖い夢でも見ているのだろうか。

「シリル、」

扉の向こうから、お父上の声がする。

彼女を見舞いに来たのだろうか。

「ジュリは眠っているか?」

「はい。しかし、少し辛そうです・・・。」

「昔コリーもそうだったな。」

叔母上が・・・。

「どういうことでしょうか。」

僕は、好奇心に負けた。

普通は聞かないほうがいいのだろうと思う。

でも僕は、聞きたい。


「ジュリが目覚めたときにでも話をするとしよう。少しむごいが大丈夫だな?」

「もちろんです。」


僕ももうそろそろ知らなくてはならない。

家のこと。

世間のこと

何より、

バルニエール家、シェーンフィルダー家両家に伝わる

伝説を・・・・・。

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