午前0時に口づけを



「か、勘違いしないでよ?!添い寝よ添い寝。シリルも寝てないんでしょう?いいいい一石二鳥じゃない?」

「・・・気持ちだけ受け取っておく。僕もそのうち眠るさ。」

顔を真っ赤にさせた彼女は、僕の言葉に、頷きつつも、眠りかけていた。

僕はとりあえず座っているしかなかった。

そばから離れたくない。

眠れと言われたが、眠りたいほど眠いわけではない。

「・・・セレナ。」

セレナが扉の前にいることは知っていた。

無意識に彼女の名を呼んでいた。

「なんでしょう。」

「頼む、紅茶を持ってきてくれないか?」

「何がよろしいですか。」

ダージリンにしようか、アッサムにしようか。

いっそのこと、アールグレイでもいいかもしれない。

「アッサムを頼む。」

「かしこまりました。」

こんな調子で彼女は大丈夫なのだろうか。

明日には葬儀なのに。。。

「お持ちいたしました。」

「ありがとう。」

僕はお礼を言って受け取る。

「・うん。美味しい。」

「お口におあいしたようでうれしいですわ。では、わたくしは外で控えていますので、何かあったらおよびください。」

「あぁ。」

そう返事をしてもう一度彼女を見つめた。