午前0時に口づけを


「では、失礼します。」

セレナは一礼して僕の前を去る。

僕は笑顔で対応した。

「ジュリエッタ・・・一人で抱え込まないでくれ。」

僕を頼ってくれないか?

「・・・ん・・ぉかぁさま・・・。」

弱弱しい声で寝言を言っている。

それが家族に関することばかりなのが、

余計僕を辛くする。

僕が・・・僕が、もっと強かったら、フレッドは死ななかったかもしれない。。。

僕が、もっと早く異変に気づいていれば・・・。

カミーユが来る前に気が付いていれば・・・。

「さま・・・お母様っ!!」

ジュリエッタははっと起きた。

「どれくらい眠ってたの・・・?」

「ほんの30分ほどだ。」

「ねぇ、カミーユさん無事だった・・・?」

「あぁ。後遺症も残っていない。」

こんな時でも、他人の心配をする。

「もう一眠りしておけ。」

「、でも、シリルだって」

僕は彼女の言葉をさえぎってにっこり笑う。

だって

僕には睡眠なんか必要ないんだ。

君がそばから消えないように、君を守るためなら、僕は喜んで

睡眠なんか投げ出すよ。

そう口から出そうになり、急いで言葉を飲み込む。

「僕も眠るから。」

「・・・・一緒に寝よ?」

途端に僕の顔が真っ赤になるのがわかった。

顔が熱い。

「!!\\\」

彼女も真っ赤になる。