「・・・どこにも行かないでね・・・?」

怖いから。

一人は嫌なの。

「あと3秒で寝床につけば行かない。」

「無理よっ!!」

「冗談。行くぞ。」

シリルは黙ってわたしの腕をひく。


「ちょっと、私は、」

「寝室行かないのか。」

寝室に男性を通すなんて、破廉恥な・・・・。

「しっ、寝室に男性を通すなんて破廉恥だわっ!!」

「寝室しかベッドないだろう?仕方ない。」

<大丈夫だ。>

頭の中でレッドの声が響く。

<そいつはお前の体が心配なだけだ。何もしない。>

「仕方ないわね・・・。」

シリルは、私の腕を弾き、私を持ち上げた。

「なっ。」
「こっちのほうが早いだろう?」

確かに早いけど・・・と口に出しかけてやめた。

「わかったわ。」

せっかくの厚意だし。