「俺は、お前の体内にいるが、本体はこの紐だ。必ず、身に着けておけ。」

私はそっと頷く。

「どれだけ時間がかかっても、寿命は5年しか縮まない。そこは安心しろ。それから、契約内容の確認だ。復讐だけでいいのか?」

私は黙って、首を縦に振った。

「契約をしよう。お前の指を差し出せ。」

私は黙って、指を出す。

悪魔が、黒い霧のようになって、

私の爪の中へと入っていく。

<契約完了だ。聞こえるか人間>

悪魔の声が頭に響く。

<聞こえるわ。ねぇ、あなたの名前は。>

私はそっと胸の中で問いかける。

<名前なんて忘れた。お前がつけろ。>

私は、わかったとこころのなかで唱え、名前を考える。

<レッド。あなたは、レッドね?>

<ぁ、あぁ。俺はレッドだ。>

復讐・・・。

必ず成し遂げて見せる。

あいつ等には死ぬより辛い苦痛を合わせてやる。

<ねぇ、悪魔になってできることってないの?>

<できなかったことができるだけだ。>

<じゃぁ、最後にもう一個。一生悪魔でいる事ってできるの?>

私の問いにレッドは驚いたようだった。

<できるが、それは他人が苦しめるために悪魔じゃなく死霊を呼び出した時だ。死霊を呼び出し他人に取りつかせれば、そいつは永遠に人ではなく、悪魔として生きることになる。>

<わかったわ。>

ならあいつらあのために私が死霊を呼びだしてさし上げましょう。