ハッピーバレンタイン!!

「なんで渡さなきゃいけないの?」

緋奈はまだそんなことを言っている。

俺のこの性格が俺のファンにバレたら、俺のモデルの道は終わるかも・・・。
そんなことが頭をよぎった。

俺がモデルにこだわるのには理由があった。

もしも俺がモデルをやってたら、俺を捨てた母親が金目当てで舞い戻ってくるかもしれないと思ったから。

それと、昔俺のそばにいて俺を励ましてくれたあの女の子に俺はここにいると見せたかった。

俳優の道に進まないか、と声をかけられたが俺には演技力がなく、その道に進めなかった。