放課後になり、また運動場から部活の楽しそうな声が聞こえた頃。
美沙が言ってたメッセージカードの存在に気づいた。
「さすがにこの絵じゃ提出は出来ない…」
と私は何かヒントになるものはあるかも知れない図書室へ向かった。

図書室に入った時、明るい夕陽の日差しが目に入って私の居心地が悪くなった。

シー…ンと静まり返った部屋。
誰も居ないと思ってグルグル室内を歩き回る。
すると、一番日差しが入り込む場所に、陽がよく似合いそうな端整な顔立ちの男の子が寝ていた。
やわらかな陽の光が彼の明るい茶色の髪を光らせていた。
き、れい…、と人目に付く彼の容姿に私は惹きつけられ、無意識に近づいていた。
2、3歩進むと彼は目を薄っすら開け、伸びをした。
「わっ…。えっいや、すみません。」
慌てて、図書室へ来た理由も忘れて立ち去ろうとした私に、
「別に。何も謝ることないよ。俺が勝手に寝てただけだし。つか、今何時?」
「…4時過ぎたところです。」
始めて聞いた彼の声は、大好きだった"あの人"にソックリで、目の裏が熱くなる。
もう忘れたいのに。
「ねぇ、お前なんか顔色悪いよ?大丈夫?」