櫂理にウインクを送る和寿を睨み、櫂理は立ち上がった。





「彩音、帰るぞ。」




「は…はいッ。」




「カズ、時桃。終わったらデータ俺んトコに飛ばしとけ。…お疲れ。」





櫂理は会社のドアを開けた。





…そろそろアピんねぇと…か。




櫂理はかすかに口の端を上げた。





そんな事とは知らず、和寿と明歩に挨拶した彩音は櫂理の後を追ったのだった。