──それから3年が過ぎた秋の雨の日。 「いらっしゃい、彩音«アヤネ»。」 私をそう呼んでレジで笑うのは大学の2年先輩だった茂木 史江«モギ フミエ»さんだ。 このお店はタカノコーヒーと言う全国チェーンのコーヒー店。 私は仕事の後、ここに寄るのが習慣だ。 史江先輩はここの店長をしている。 「ごめんね、彩音。今日、雨だから混み混みなんだよね。」 私は史江先輩は申し訳なさそう。 私は笑って 「大丈夫ですよ。今日は湿気で髪ボサボサなんで帰ります…。」