「…彩音…。」




消えそうなその声に私は動きを止めた。




櫂理…さん…?



どうして…?




そう思っている私に



「…このまま…。」




櫂理さんは呟いて続けた。





「…俺は誰とも結婚なんかしない。彩音としか一緒にいたくない。それ以前に彩音じゃねぇとダメみたいだ。」