「おーいおーい」
香穂は私の顔の前で左手をかざしている。
私は香穂の手の先にある先程まで私の目の前nあったコップを見ていた。
香穂に話しかけている事に気が付かず、たった今気付いた。
「わあ!」
私は徐々に近付いていた香穂の手に驚いて後ろに転がってしまった。
背骨が床に当たって少し痛かった。
香穂は「大丈夫!?」と右手の麦茶を机に置いてから私に駆け寄った。
「さっきから私が香穂に迷惑かけてる…。」
「ごめんね」と言い終わるまでに
「何言ってんの!」と香穂の威勢良い声がマンションの一室を無駄に響かせる。
私は一瞬驚いて香穂を二度見したが、そんな事はお構いなしに香穂の口からは私の事を説明し続けている。

