口紅も塗り直しとかなきゃな 化粧ポーチの中から濃いピンクの 口紅を取り出し鏡を見る その時、鏡に水が流れた 幸いドレスとポーチは濡れてない 短くため息をつき後ろを振り返る 少しドヤ顔の花蓮が 空のコップを持って立っていた 私はそんな花蓮に笑ってみせた 『可哀想な人ね、花蓮は』 実力で上り詰めた もちろん枕営業なんてしてない 体は売らない、私のルールだ プライドが許さない もちろん、コネなんか使ってないし この容姿を活用して 上手いこと客を持ち上げてスキルを磨き ここまで上り詰めた