朝からお熱いねぇーと、茶化すように 助手席のドアを馴れた手つきで開けてくれた 私はそれに微笑み、腹のなかでは 拓斗への怒りが煮えたぎってた 想司がへらへら笑ってるのはアウトだよ 私にしてみれば互いが嫉妬心剥き出し 拓斗と付き合った覚えもないし 想司との関係がそうなった覚えもない 好きな人は居ないけど こうやって、嫌な空気になるのは あまり好きじゃない 想司の車に置きっぱなしの タバコを手に取り火をつける それが合図みたいに車が唸る 目的地なんて、聞かなくてもわかる