『想司』
それだけを伝えて、拓斗が出たばかりの
お風呂にシャワーを浴びに行く
拓斗はそんな私を尻目に
ご飯を食べずに部屋へ戻ってしまった
シャワーを浴び終えて
洗面所の鏡の前で髪の毛を乾かす
頭だけを出し、リビングを覗くと
拓斗のご飯だけがそのまま置いてある
後輩と目が合うと気まずそうに苦笑い
あぁー、居ないのね
拓斗はどこかへ出掛けたらしい
化粧をしながら時間を気にする
こいつら置いて長時間は出掛けないだろう
あながち、コンビニで立ち読みしてるよ
後輩にあとのことは頼み
友達とはまた、呑もーねと
拓斗の家を後にした

