寒いな…
自然と歩くスピードを速めてしまう
急に曇ってきて風が出てきた
分厚い真っ黒な雲に
何故か私の心は落ち着いた
『雪、降りそう』
――――
―――――
――――――ー
ガチャッー…
音のない部屋に私はTVをつけて
ソファーに上着と鞄を置き
コーヒーを淹れる
出来上がったばかりのコーヒーを持って
ソファーに深く腰を委ねる
コトンッー…。
コーヒーを置き
何気なく雑誌に手を伸ばし
煙草に火をつける
キンッー… ジュッ
この音を聞くと
あいつの吸い込まれそうなほど
綺麗な二重の目を思い出した…
『はぁー…』
私はあいつを頭から追い払うように
つまらないバライティーに目を向ける

