それから不思議と涙は出なかった 次の日、お坊さんの小さな背中を 一人眺めながら お別れの時を待った 喪服をびしっと着こなして 45~50歳くらいの男の人が お坊さんと私しかいない部屋に 入ってきた 歳的に、先生かな? なんて思いながらも 目があったので軽くお辞儀をした その人は少し口角をあげて 入り口の付近に腰を下ろして 何をするでもなく目を閉じている