後ろをついて行きながら俺の心はこの急展開についていけなかった。 まさか。 まさかな。 人通りの少ない場所までやって来ると和泉は足を止めた。 そして少し頬を赤らめながら手に持っていたものを差し出してきた。 「…あのね、拓斗に、これ。」 なんだこの展開。 だって、和泉は渡辺が好きなはずで…。 俺は今年も連敗するはずだった。 目の前の光景が信じられない。