「知ってる」
当たり前、とでも言うようなイタズラのような笑みを私に見せた。
「んじゃ、行こー!!!」
本当は、このままではいけないって思ったけど…仕方ない、と自己解釈した。
まず、プリを撮るためプリ機の中に入った。
「ちょっと!凌寄って~?」
私が切れてるよ!!!って言おうとしたら…凌に抱き寄せられ、キスをされた。
タイミング良く、カシャリとシャッター音が聞こえた。
「凛、切れてるよ?」
凌は、少し淋しげに笑って、私を抱き寄せた。
「あ、ヤベ…プリ代しかお金持ってないや…」
凌はわざとらしく笑って、手を合わせてきた。
「ごめん、俺ら帰るか?」
コクンと頷いて、来た道を戻って帰った。
家に入ると、凌に帰り道渡されたプリを見る。
「凌……、なんで……?」
気付けば、口からそんな言葉が出てきた。
だって…凌がとても苦しそうな表情で、私にキスをしていたから。
「凌……、分かんないよ……」
私の頬に、一筋の涙が零れた。

