いや、ニヤリって笑うなよ。
「ケバケバ子?」
いやさ、ホンマにケバいんだって!!!
ケバ子は、怒りでワナワナと震えている。
「ニキビ出来るよ~?」
イライラしてると・・・って言おうとしたのに睨まれてシュンとなる。
「井上 萌よ、名前!!!」
名前・・・何故名乗られたのだろう?と疑問に思い、今までの経緯を思い出しあぁ!!と思った。
でもさ・・・?
「意外に普通・・・」
いやさ?
当て字かと思っただけだよ?
「凛、行くぞ」
凌、見事にケバ子をスルーしたね・・・。
相変わらずの凌に思わず笑ってしまった。
「じゃーね、ケバ子さん?」
凌が、笑いつつケバ子に向かって手を振った。
ケバ子さんは、怒りで魔王化してた。
見てないフリをする私と凌。
チャリ置き場まで、笑いながら歩いていった。
「凛」
凌がチャリをひいて持ってきた。
私は慣れたように、軽々とチャリに跨った。
乗った後は、一定のスピードで進んで行くだけだった。
心地よい風が髪の毛を靡く。
「ねぇ、どこ行くの?」
凌の制服を少しつまみ、頭を凌の背中にくっ付けた。
「言ったら面白くないだろ?」
悪戯っ子のような笑みに私も笑った。

