いちごアメ



「凛、今日だねっ」


名前すら知らないクラスメイトが話しかけてくる。


「は?」


この際、コイツは誰でもよい。

今日は何か起こるの?


「だーかーらー!凌くんとのデート!!!!」


あぁ、そういう事か…

地味に安心した、って何で知ってんの?


「あー、そーだねー」


思わず棒読みになってしまったが、気にしないでおく。

気にしなかったけど、コイツ誰?


「凌くんとのデートなんか羨ましい!!!」


あー、凌のファンか……

人気だね~……、つか馴れ馴れしいな。


「なんで凛なのかな?」


この際、お前の名前はケバ子でよい。


「知らない。凌に聞けば?」


気がつけば一緒にいた。

自然に付き合ってた。


「凛、迎えに………って誰?」


タイミング良く、凌が来てくれた。

しかも、声が一瞬で低くなったんだけどね。


「凌くぅん~♪」


甘くて、甲高い声をよく出せる者だと関心する。

しかし、凌はその部類の人間が苦手だったはず。

現に、今眉間に皺が寄っている。


「誰?凛」


私に聞くのか、殿方どの。

私が知るとでも?

愚問だな、知ってないに決まっておろう。

予想で答えるか、、