一般的なものからチョコレートを使ったデザートまで様々なものを食べていると、史也はあるセットを頼んだ。


「これ、何?」
「チョコレートファウンテンって知ってる?こうやって、チョコレートにくぐらせるやつ」
「凄い。やっていい?」
「どうぞ」

一口大に作ったイチゴやキウイ、マシュマロがある。それを流れているチョコレートに絡ませては口へ運ぶ。


「これも食べ放題なの?」
「そうだね。正確には今日だけの特別メニュー。そして、条件が…」
「条件?」


するとカメラを持ったスタッフがやってきた。


「それではよろしいですか?」
「はい」

何のことだかわからない優花はスタッフと史也を交互に見る。

「優花もマシュマロにチョコかけて」
「うん」

言われるままにやると、スタッフがこう言った。


「では、それをお相手の口に入れて、愛を確かめ合って下さいね」

そう言うと、カメラを構え

「ハッピーバレンタイン!」

という掛け声とともにフラッシュが光った。