会話を切り出したものの“何か話さなきゃ”ってだけで、次の言葉が見つからない…。

どうしよう…


あっヤバイ!バイトの時間過ぎてる!

ということは、彼も急いでるはずだよね?


「あっごめんね!急いでるよね?あたしも急いで行かなきゃっ。」


そうい言って慌てているあたしを見て、彼は嫌な顔一つせずニコッと笑ってくれた。



あたしのお気に入りのあの笑顔…



そして、あたしは彼をおいて一人食品売り場に走って行った。




拾い損ねた小銭があったかもしれない。

でもそんなこと、私の中ではどうでもよくて…


むしろ得した気分…


彼の笑顔、見れたから。