バス停までダッシュして、バスから降りてまたダッシュして…

なんとかバイトの始まる時間までにスーパーに着くことができた。



あ〜っ疲れた〜!

バスの中以外は、ずっと走ったもんだから、喉がカラカラに渇いたので休憩室にある自動販売機でジュースを買おうとすると…




チャラーンッ!!



財布から慌てて小銭を出そうとしたせいで、財布から小銭が落ちてしまい派手に散らばってしまった。


もぅ!今日ツイてなーい!

泣きたい気分で、一人散らばった小銭を拾っていると…


ガチャ。



ドアノブの音と背中に人の気配を感じ、休憩室に誰かが入ってきたのが判り、あたしは、しゃがんだまま後ろに振り向いた。そこにいたのは同じようにしゃがんでいる、あの高校生の彼がいた。


そして何も言わず、拾った100円玉をあたしに手渡してくれた。



「あっありがとう。」



あたしがお礼を言うと、彼はペコッと頭をさげた。


昨日の電話で理香の言ったことをふと思い出し、彼に話しかけてみようと思った。


「あっあの…」