「相変わらずゆずはギリギリに来るよな。家に時計あんのかよ?」
「瞬うざい。時計ぐらい家にあるし。本当、毎回毎回ムカつくー」
「まぁまぁ、2人とも。こんなとこでしょーもないケンカしないのー」
「そだな。よし、今日は思いっきり楽しむぞ!なんたって久々の遊園地だし!」
「本当!昨日楽しみすぎてなかなか寝れなかった!」
「さすが、優雨」
「何よ瞬!」
「何もねーよ」
2人の言い争いを聞きながら
あることを思い出した
「そういえば… 千隼くん?だっけ?彼はどうしたの?」
そう、もう1人の男の子
和泉 千隼がいなかった
「あー… それがさ、あいつ寝坊したみたいでさ…まだ来れねーみたいなんだ。だから先に3人で中に入って遊んどこうぜ?」
「本当に… 何やってんだか、あいつは」
「本当、幼馴染として恥ずかしいわ」
「マジそれ。世話のかかる奴だ」
「ねーっ」
「じゃ、先に中に入って遊ぶ?」
「賛成ーっ!早く行こー」
「ちょ、ゆう走んなって」
「2人とも早くー」
春風と共に入口に向かって走った優雨を 追いかけるように
あたしと瞬は駆け出した
蒼い空に色んな形をする雲
いつだったか
あのどこまでも自由に行く雲に乗って
どこか自分の知らない
遠い場所に行ってみたいと思った
綺麗な空と雲を眺めていると
今日はいいことがありそうだな、と
思ってしまった
「ゆずー!早くー」
「うん!」
キミはこの日のことを
まだ、覚えていますか?
あたしは今も
あの日のような
蒼い空の日は
キミとの出逢いを思い出します
あたしの運命の出逢いが起こるまで
あと、
少しー…
