あたたかい春風は
人々に期待と不安をあたえ
淡いピンクの桜の花びらを降りそそぐ
甘い甘い雨でした。


そして、その雨は
たくさんの場所を綺麗なピンクに染める
美しい雨でもあり

あたたかい雨でもありました。





ーーー





ふと、目を開けると見慣れた白い天井

近くにかけてある時計を見ると
朝の6時を指していた

ベットから起き上がり
外の景色を閉ざしていたカーテンを
勢いよく開けた


「いい天気…」


澄み渡るぐらい青い空とあたたかい春の日差しが窓から見える


そのあまりの天気の良さに
ため息がでる


「なんで雨じゃないのよ」


雨は大嫌いだけど

今日だけは雨が降って欲しかった


それには理由があった…


ピコんピコん

枕もとにおいてあった携帯が
忙しくなり始めた

やっぱり…


携帯をみなくても
メールを送って来た人なんてわかる

慣れた手付きで受信ボックスを開くと






予想通りの人からのメールだった


「はぁ… 最悪…」


メールの内容は朝からあたしの気分を
悪くさせるものだった