君は何を見ているの？

茜side



武と別れ、教室に入ると沢山の人がすでにいて話をしている。


私は自分の名前が書いてある紙が貼られている机に行くと椅子に座りつっぷした。


(これからこの机で勉強するんだ。)


「あの・・・大丈夫？具合でも悪いのか？」


声がして顔をあげると、髪がショートの女の子が心配そうな顔をしていた。


「元気だよ。何で？そう思ったの？」


私はこう聞いた後ハッとした。


(武に急に質問するなって言われてたんだっけ。)


「だって、普通机に突っ伏していたらそう思うでしょ。まあ、具合が悪くないならよかった。私は、神崎　悠(かんざき　はるか)宜しく。」


「私は、椋原　茜だよ。よろしくね！」


「椋原　茜って今日入学式の挨拶する子じゃん！頭いいのか～！」


「そんなことないよ。」


「謙遜するなって！挨拶、緊張するよな？」


「全然しないよ。」


「は？」


悠は口をポカーンとして私を見た。


(何でそんな顔するんだろう？)


ただ喋るだけなのに緊張なんてする者なのだろうか？