全ての試験日程を終えて、合格発表を待つだけになった。


あとは天に任せるしかない、と開き直る僕。

対称的に君は、緊張が増しているようだった。


「合格してるといいね」

…合格が決まったら、もう一緒にいる時間は少ないけど。


「御守り、効き目あったのかなぁ…」

君と交換した御守りは、ずっとバッグに入っている。


「そんなに心配しなくていいよ、やれることは全部やったから大丈夫だ」


「自信がない…」


「不合格だったら僕と一緒に東京に行けばいいよ。若妻ってことで」


君は僕を上目使いで睨んだ。


「それじゃわたしお荷物じゃない。そんなの嫌」


君が何をしていたって、君のことをお荷物だなんて思うはずはないんだけど。