「あれ…いね」
ポカンとして、男の人は言う。
「また逃げられたの?」
呆れた女の人の声がする。
「あれは客じゃねーよ」
その言葉に不満の声をあげる。
「何言ってるの?ちゃんと恋をしてるわ。
じゃないと『キューピッドちゃんのお家』に来ないのだから。1人は必ずしている」
ドアの前で黒い影は笑った。
「次必ず来るわ。恋をしている子が」