1.キューピッドちゃんのお家

普通の商店街に、誰1人寄り付かない場所があった。
端にあるわけでもないし、見えにくい所でもない。
人目に着く商店街の真ん中にある普通の一軒家。
商店街の真ん中に一軒家がある事自体おかしな話だが、看板には『キューピッドちゃんのお家』と書いてある。
周りの人は気になりはしたが、誰も行こうとはしなかった。
ダンボールの切れ端で作った看板の様な物を、表札の前に貼り付けて、カラーペンでもマジックでもないボールペンで『キューピッドちゃんのお家』と書いてある。
どう考えても頭のおかしい者がその家に居るとしか思えなかった。
それに、『キューピッドちゃんのお家』の住人を誰も見たことはなかった…。