コンコン。

ノックをした。

「はい、どうぞ。」


ふと学生に

戻った気分になる。

在学中、私は

何度このドアを

ノックしたことだろうか・・・。


「失礼しまーす。」



「お?めずらしい人が
 きましたね。」


クスと光輝さんは

笑って迎えてくれた。


「里帰りですか?」


「うん・・。」



満足に笑顔を返すことも

できずに返事をした。


それから

ソファに2人で

腰掛けて向かいあった。


「貴臣さんと
 何かありました?」


「・・・・・。」



「・・今日は仕事
 早く終わりますから
 外で話しましょうか。
 ここで話すような事でも
 ないですしね。」


そう優しい口調で

光輝さんは言った。


「うん・・・。」



そうして私たちは

夕方に近くのカフェで

待ち合わせの約束をした。




私は待ち合わせまで

適当に時間をつぶして

待ち合わせのカフェに向かった。