指を離して応答があるのを待つ。



その僅かな時間でさえも、ドキドキしてしまう。



『はい、どちら様?』



女の人の声が聞こえて、その声にドキッとした。



「あの、俺、凪柚さんと同じクラスの三鷹と言います。三鷹蒼生です」



「同じく、柿部潤哉です」



インターホン越しにジコショウカイすると



『ちょっと待っててね』



と言われ、会話が途絶えた。



遠くから聞こえてくる足音が近付いてくるのがわかる。



その足音が止んだかと思えば、急に玄関の青い扉が開いた。



そこに姿を現したのは、髪は短いけど凪柚にそっくりな女の人だった。



「いらっしゃ~い。凪柚ちゃんのお友達でしょ?さぁ、上がって下さいな」



その人は俺たちの腕を掴んで、家の中へと引っ張っていく。



「あの……!凪柚、じゃなくて、凪柚さんは……」



「帰ってきてからお部屋に籠もったきりなの。あなたたちが来てくれてよかったわ。きっと、あの子も部屋から出てくると思うの」