電話に出たのは潤哉だった。



慌てすぎてて声がわからなくなってるんだ。



「潤哉!凪柚の誕生日知ってるか?!頼む!知ってたら教えてくれ!」



俺の言葉に潤哉は黙ってしまった。



「潤哉…?」



『……いや、俺も知らないんだ。すまん。それよりどうしたんだよ?』



潤哉に聞かれて、甲斐さんと話したことを話した。



『あんまり時間がないかもしれないってことだよな……。蒼生、樹月さんに直接聞いた方がいい。これから家まで行ってみよう』



「……わかった!」



電話を切って、すぐに玄関に向かった。



スニーカーに足を突っ込んで、転けそうになりながら玄関のドアを開けて走り出す。



オレンジから紫に、空は色を変えていた。



制服のままだったと思い出し、邪魔そうに揺れるネクタイを外した。



潤哉とは凪柚の家で待ち合わせることになってる。



俺の家よりも、潤哉の家の方が凪柚の家に近いから、潤哉のが先に着いてるはず。