ドアが閉まったのを確認して、俺はまたベッドに寝転んだ。



「冷たい……」



頬に触れた涙の跡は、温かさなんてとっくに失っていた。



叶わなくてもいい。



それは本当だ。



でも、気持ちを伝えることすら出来ないってことが、こんなにも辛いなんて……。



苦しい…、苦しい……



苦しい……。



でも、



凪柚はもっと苦しい……?



だって、俺たちと何も変わらない18の女の子だ。



……18……?



そう言えば俺、凪柚の誕生日知らない…。



一緒にいられる時間が、あとどれくらいあるのかも知らない。



泣いてる暇なんか、ない……!



俺はベッドから勢いよく起き上がった。



隣で寝ていたピーチがビクッとする。



「ごめんな、ピーチ」



そう言って俺は部屋を出た。



階段を駆け下りて、家電から急いで潤哉に掛けた。



『もしもし?』



「もしもし、三鷹と言います。潤哉は…」



『蒼生か。どした?』