翌日の朝。



俺は憂鬱な気分で登校した。



靴を履き替えて、四階まで階段を上る。



そして、一番端の教室まで廊下を歩く。



教室に入ると、みんなはなんだかソワソワしてたんだ。



誰かに聞こうと一歩前に足を出した時、背中に痛みを感じた。



「いっ…てぇ……」



俺の背中を思いっきり叩いたそいつがケラケラと笑う。



「潤哉、てめぇ…」



「わりーわりー」



そう言って笑うコイツは中学からの悪友・柿部潤哉。



茶髪にシルバーのピアス、それからメガネがトレードマークの、人をからかうのが大好きな奴だ。



「朝っぱらからなんなんだよ…!」



俺の言葉に



「うちのクラスに転校生が来るんだよ」



って、潤哉は嬉しそうに言った。



「こんな時期に転校生…?だってもうすぐ夏休みだぜ」



「まぁ細かいこと気にすんな」



細かいか?と潤哉の言ったことにツッコみたい気分だ。



その時、チャイムが鳴った。



二つずつ並べられた机の窓側一番後ろの自分の席に着く。



すぐに担任も教室に入ってきた。